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LINEが決済、タクシー、配達に参入の狙いと罠:流行りのサービスをおさえる巨人になる

グループチャット、そしてVoIPの通話アプリに進出したメッセージアプリのLINEが、更なる個人向けのサービスに踏み出しました。

「徹底的にインフラを握りにかかった」

徹底的に土管に徹し、インフラを握ること。

これがLINEの戦略です。

なぜドコモやauができなかったのか、歯がゆい。

発表の概要は以下の通りです。

  • LINE Payによる決済サービス(apple payと名前が似てますが、メインは。個人間送金とみる)
  • LINE Taxiによる配車サービス(Uberを取りにきましたな)
  • LINE Wowによるフードデリバリーサービス(bento.jpやdely、渋弁、ごちクルあたり)

(サブのポイントは以下の通り)

  • LINE Maps for Indoor(google japan初のサービスでやってたやつ)
    これは、LINEの公式アカウントと併せてBtoBサービスをとりにきましたね
  • LINE @のさらなる活用
    上記のinfoorと連携するBtoBサービスですね。
  • CyberAgent、GUMIとジョイントベンチャー(JV)設立
  • SonyMusic、Avexと音楽サービス(月額課金型)を開始
    (Sportify、Music Unlimited、dミュージック?)

目次

  1. 所感:LINEが何を目指すのか
  2. 決済:個人の日常の隙間に入り込む
  3. タクシー:Uberとの違いが分からない
  4. 弁当配達:流行りに乗って、出る芽を摘んでおく

所感―LINEが何をめざすのか

端的に、「(既に参入者がいる)伸びる可能性がある市場を、一気にスケールさせる」ことです。

今回LINEが参入する個人向けサービス

-決済、タクシー、弁当-

この領域は、決して目新しいものへのチャレンジというわけではありません。

既に多くのサービスが参入済み、もしくは今まさに伸びようとしているところです。

後発で参入することのメリットはなんでしょう。

現在のLINEの規模(~30代前半であれば、大半の方が利用している)および資金力(短期的には損をしてでも規模をとりにいける)を活用し、活動の資金限界があるところを一足飛びに追い越すということです。

徐々に市場が形成され始めているところを、大きな資金力で実質スタートさせることです。

それぞれの領域を見ていきましょう。

LINEPAYによる決済:個人の日常の隙間に入り込む

「ちょっとひと手間をLINEが変える」ということでしょう。

決済の柱は大きく2本です。

  • LINE IDとクレジットカード情報を紐づけて、支払をする
  • LINEでつながる友人に個人送金する

まず、クレジットカード決済に関してはCoineyやSquare、Paypal hereといったもので小規模事業主向けに参入してきました。

apple payも、クレカの情報を登録することで、簡易決済をするものです。これに関しては大きな驚きはありません。

ポイントは、LINEの「ともだち」に、口座番号を知ることなく個人送金できることです。
イメージでいうと、友達と食事をして持ち合わせがないときに、「次会ったとき払うよ」と「なかなか会えないから振り込むよ」の間の選択肢の提示です。

「金額教えて、LINEで金額打ち込んで送るよ」

LINEPAYのメリット

会社で飲み会があった時など、集金の手間が省けそうですね。

集金袋をもった若手社員が徘徊する時間と手間を省けます。

※余談ながら、私は会社員時代、この支払に「クレカ使わせてよ」と言われて支払いをなかなか受けられなかった苦い経験があります。

便利なLINEPAY、その反面の懸念点

あれば便利なサービスです。でもお高いんでしょう?

手数料は現時点では明記されていないようですが、仮に5%前後として…

飲み会の支払5,000円に対して、5,250円を払うでしょうか。

250円も手間賃かかるなら、現金で払うよ、というのが普通では。

これはおそらく支払い側にかかってくるので、支払いのハードルは高いと言えるでしょうね。

※現時点では手数料に関する記述を見つけられませんでした。

初期は手数料無料にする可能性もあり、それによって普及は変わるかと思いますので、分かり次第追記します。

 LINEPAYの手数料について追記

 

※個人間の送金に関しては、ドコモも過去実施していました。(ケータイ送金)
 これに関しては、知名度(本気で売ろうとしていない)と手数料がネックになったかと考えられ、二の舞にならないかが気になります。 

もう一つは、当然ながら、セキュリティです。

LINEのキーノートでも、セキュリティには万全の配慮をすると言われています。

しかし、LINEのアカウント乗っ取りが収束しないままに配慮するといわれても、にわかには信じがたいのが事実です。

また、母体が韓国企業のNaverですので、国の制度として通信の秘密が担保されないということもあります。

※これに関して、LINEの森川社長がblogで否定されていますが、会社としての見解であるのならばプレスリリースを出すべきではないでしょうか。

それをせずに、社長個人のブログでのみ声明を出すところに、どこか責任逃れの要素を残しているように感じられます。 

タクシー:Uberとの違いが分からない

理念としては、「1アプリで配車から支払いまでワンストップサービス」

LINEPayでクレカを登録して、アプリでタクシーを呼ぶ。

この両方が、Uberで既に実現できているところです。

しかも、Uberに関しては、タクシーでなく「ハイヤー」、普段よりもいい車、いいドライバーでのプレミアムサービスという付加価値があります。

日本交通と組む、普通のタクシーと組むLINEにどんなプラスがあるのでしょうか。

私には、Uberがスタートアップ界隈を賑わせているから、勝ち馬に乗ろうとしただけのように見えます。

どちらかというと興味があるのは、アメリカでは競合サービス(Lyft)のCOOを引き抜いたり、相手を叩き潰すことに余念がないUberがどういう対抗策をとってくるかですね。

その闘い方は見ものだと思います。 

LINEWOWの弁当配達:流行りに乗って、出る芽を摘んでおく

LINEが上場による資金調達を見据えられるほどの企業規模に育ったことの象徴的なサービスです。

サービスの未来像

韓国のWoowa Brothersというフードデリバリーサービスとジョイントベンチャー(JV)を作るようですね。

フードを手始めに、最終的にはamazonのような領域を目指しているようです。

正確には、楽天のように商店の置き場を提供して、amazonのように便利に配送をする、といったところでしょうか。

フードデリバリー(弁当の宅配)について

この1年でアメリカで個人宅配が波に乗り、半年くらいで日本でもスモールな宅配サービスが出てきました。

エリア限定ですが、bento.jpやdely、渋弁といったところです。

(ごちクルは宅配サービスですが、少し違う路線なので割愛します)

主に、若い世代のスタートアップが無理難題に挑戦する、という路線ですね。

(リブセンスも新卒研修の一環でPaciriiという個人のなんでも注文宅配をやったみたいです)LINEはこの領域に手を入れてきた、そして競合は早めに片づけるということだとおもいます。

追記: LINEWOW以降、delyもサービス終了しました

 

規模の小さいスタートアップは、アイデア勝負だけじゃ戦っていけないんですよね。

資本金300万円とかで参入して、3億調達したぜ!とかホクホクしていても、市場に期待がかかればかかるほど大企業が100億単位で参入してくることに対して手当をしていかなければいけないのです。

(大企業が参入してもドコモのdデリバリーのように鳴かず飛ばずの未来もあり得ますが)