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目で見て体験

スマホの世界や、これからの先進技術をご紹介。

SIMフリーの義務化が通信料金を下げるなんてありえない

先日、総務省の指針として、日本のケータイ電話各社(ドコモ、au、ソフトバンク)に対して2015年を目途として、端末のSIMロック解除(SIMフリー化)の義務化が示されました。

これについては、通信料金が高止まりしていること、競争原理が働いていないことを是正するために総務省が議論を進めてきたものです。

しかし、今回のSIMフリー義務化が我々の通信料金や通話料を下げたり、競争を促進することにつながることはありえません。

その理由を本記事で説明します。

目次

  1. 総務省が目指したものとは?
  2. ケータイ産業のゆがんだ構造
  3. SIMフリーの義務化がゆがんだ構造を解決できない理由
  4. 起こりうる未来
  5. 本当に必要なもの

SIMフリー義務化で総務省が目指したものとは?

本来目指していたものとは、「選択の自由」です。

そのためには以下の3点が必要となります。

・3社の独占状態でない

・ユーザーが自分の契約内容を理解できる

・契約内容を自由に変更できる

今回は手当をするのは、3番目の契約内容の自由な変更の一部です。

総務省の理論としては、「ケータイ会社を変えるには新しいケータイを買わなければいけない。今までのケータイがそのまま使えるのなら、リーズナブルに変更できるはずだ!SIMフリーにしろ!」ということです。

ご自身のケータイの契約内容を少しでも気にされる方なら、この論調の誤りに気づくでしょう。

ケータイ会社を変えるにあたって、一番のネックになるのは端末の代金ではありません。

したがって、SIMフリーを義務化したところで、「選択の自由」が実現できないのです。

ドコモauソフトバンク、ケータイ産業のゆがんだ構造

では、選択の自由を阻むものはなんでしょうか。

ずばり、「2年縛り」とも言われる契約の解約金です。

手続き料金:2年縛りの実情

たかがケータイと侮るなかれ、複雑な契約でがんじがらめに縛られています。

最低でもかかる料金に、事務手数料の3,000円。

電話番号を変えたくない場合は、MNP手数料2,000円。

そして最後に、2年に1回だけ訪れる「解約可能月」を逃した場合の解約金、9,500円。

消費税を考慮すると契約を変えるために15,000円以上を支払わなければなりません。

これは2年間単位で契約をすることで、月々の通信料金を下げるというものです。

もともとの価格設定があってないようなものなので、二重料金ととれなくもありませんね。 

SIMフリーの義務化がゆがんだ構造を解決できない理由

もう見えているかもしれませんが、ケータイ会社を変えても端末が利用できたとして。

15,000円の支払いはほぼ必須です。

気軽に乗り換えられますか?

答えはノーですね。

そして、ケータイ本体の利用期間はどれくらいなものでしょう。

手元のケータイを見ていただいて、5年も利用している方はかなり稀なのではないでしょうか。

(たとえば、今から5年前の2009年10月には、SHARPの初代スマホ、LYNXが出たころですね)

また、iPhone5S~6はSIMフリーで購入できます。

NEXUSもあります。

ファーウェイもSIMフリー端末を日本で販売し始めました。

この現状で、義務化することになんの意味があるのでしょうか。

何よりも、SIMフリーをキャリアに課すことで、さらなる制限をかけることが目に見えています。 

 

起こりうる未来

ちなみに、ドコモはiPhone以外の全機種で既にSIMロックを解除できます。

だからと言って、ソフトバンクに移るときにドコモのXperiaをそのまま使おうという人は少数派だと思います。

また、通信キャリアは後から毎月の通信料金で回収するために機種を割り引いています。

割り引いたはいいものの、他の会社の通信を使うとなれば値引き損です。

その場合には、以下のような手筋で逃げ場を作るでしょうね。

・割引の廃止

・違約金の設置、値上げ

自由な未来とは程遠い、窮屈なものです。

SIMフリー義務化より、本当に必要なもの

本当に選択の自由を与えるのであれば、以下の2点が本筋です。

・通信と端末の分離

・2年縛り⇒最低利用期間への変更

通信と端末の分離

パソコンとインターネットの関係と同じです。

好きな機種を購入して、好きな通信キャリアを選ぶ。

これをやることで、メーカーもいい商品を作る競争インセンティブが生まれます。

通信キャリアも、価格や品質で勝負する必要が出てくるので、競争原理が働きますよね。

2年縛り⇒最低利用期間への変更

現状の2年縛りは、二重価格状態です。

かといって、初期コストがかかっているのも事実です。

それであれば、3か月ないし半年間の最低利用期間を設定し、そのあとは自由に解約できるということがリーズナブルですね。 

SIMフリーでなく、端末とプランの分離が必要

今回の指針では、正直なところ何も変わりません。

ぜひ、適切な競争環境におかれるように、端末とプランを分離し、プランの不当な価格設定を変更いただきたいものです。