決算発表で大幅減益、MNPマイナスとちょっと残念に映るドコモですが、先進的な取り組みをずいぶん前からやっています。
※2,000億円減益でも6,300億円の利益ってエクセレントカンパニーすぎますよね
大きなところとしては、SIMロック解除の全機種対応(iPhone除く)およびMVNOへの回線開放です。
今回はSIMロック解除について考えてみます。
総務省の2015年指針
10/31に総務省が出したガイドラインの要旨です。
- 2015年度発売のスマホはSIMロック解除に応じる必要がある
- 購入から一定期間は解除に応じることを妨げるものではない
「割引もするだろうから、半年とか一定期間はロックしていいけど、それから先は解除してやらないかんよ」
ってことですね。
2011年からSIMロック解除に対応していたドコモ
これが目新しい施策かというと、全く違います。
早くから総務省はSIMロック解除いいよね、と言っていて、ドコモは従順にもSIMロック解除に対応しています。
ほぼすべての機種(iPhone除く)が、期間に関わらずドコモショップでSIMロック解除をすることができます。
ちなみに手数料は3,150円。
契約時の手数料と同水準ですね。
ソフトバンクの抗弁
2011年当時を思い出してみましょう。
iPhoneを日本で扱っているのはソフトバンクのみ。
当時はSIMフリーをapplestoreで買うこともできず、まさに独占販売でした。
孫社長が、SIMフリーに対して出していたコメントは2つ。
- 需要がない
- 武器を渡すわけにはいかない
相反するコメントですね。
iPhoneをドコモ回線で使いたいという需要が(当時は)あったからこそ、武器を渡せないという発言につながる。
しかし、SIMロック解除に応じない理由としては「需要がない」という。
なお、需要がないという根拠に関しては、試験的にSIMロック解除に応じる端末を作ったが、利用されなかったということ。
論理的なようですが、からくりはもちろんあります。
対象機種で用意したのがらくらくホン相当の、シニア向け端末。
そりゃあSIMロック解除なんて思いもよりませんよね。
利用に結び付くのか
では、今この状況でSIMロック解除を義務化して、何がかわるのでしょうか。
本ブログでも再三述べていますが、SIMロック解除の義務化がケータイ料金を下げることなんてありえません。
国内においては、iPhoneもXperiaも3キャリアから出ていますし、あえて利用されることはないでしょう。
MVNOを推進したいとしても、ドコモはSIMロック解除なしでMVNO利用できます。
結局便利なのって、海外に行くときにローミングではなく現地のSIMを利用できるということなんですよね。
しかし、そんな使い方をする人が多数派とも思えず…。
ドコモを褒めてみる
ともあれ、制度がない中でSIMロック解除に応じるスタンスを早期に取っていたドコモは素晴らしいと思います。
利用につながっていない実態に関しては、魅力的な機種がなかったすでにMVNOはドコモ回線に対応していた、ということですね。
SIMロック解除で割りを食うのは誰か
これは2通り考えられます。
今のような実質0円やキャッシュバックの施策を継続する場合、キャリアが損をする。
それがなくなって、定価で買う場合、SIMロック解除なんて別に考えていないユーザーが損をする。
おそらく後者にいくでしょうね。
SIMロック解除対策として。
そうして、過去にも触れましたが機種代金で暴利を貪るのですね。
ドコモが先進的にやったことが、結果壊されそうで残念な思いです。
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